半農半Xシェアハウスとは

この記事では、私の中期的な目標である「半農半Xシェアハウス」とは何か、について書いていきます。

【!】現時点での構想です。記事の内容は、追記・修正等を繰り返していく予定です。

 

 

この目標に至った経緯

最初に、「半農半Xシェアハウスを作る」という目標に至った経緯を説明します。

某国立大学法人に事務職として就職する
・「働く」ことへの違和感が強くなり退職する

・なぜか自分の食料を自分で賄う必要性を強く感じる
・社会人向け有機自然農学校に入学、修了

・読書や人と接することを通じて、「働くとは、自分の得意なことで人に貢献することである」と確信する
・とは言っても、今の世の中、
それで経済的に自立するのは難しい
・じゃあ、自分でそのための場を作ればいいんじゃね?
…と、こんな感じになります。
 
農学校に入る前とは、かなり人生観が変わりました(笑)。
 
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半農半Xとは

1990年代半ばに塩見直紀さんが提唱したライフスタイルです。
 
私自身の言葉で説明するとかえって分かりづらくなりそうなので、塩見さんの著書から引用します。
一人ひとりが「天の意に沿う持続可能な小さな暮らし(農的生活)」をベースに、「天与の才(X)」を世のために活かし、社会的使命を実践し、発信し、まっとうする生き方だ。

『半農半Xという生き方』(塩見直紀・ちくま文庫)より

 
これだけだとピンと来ない、という人もいるでしょうね。
続けて、このような説明があります。
 小さな暮らしとは、たとえばどんなに小さな市民農園、ベランダ菜園でもいいから食糧を自給していくシンプルなものである。
 「X」は使命(ミッション)。自分の個性、特技、長所、役割を活かして社会へのなんらかの貢献を目指す。大好きなこと、心からやりたいことをして社会に役立ちながら、それが金銭となり生活収入となる。人は何かを売って生きているが、魂までは売らずに生きていたいと願うものだ。

『半農半Xという生き方』(塩見直紀・ちくま文庫)より

 
実にシンプルな話ではありますが、世の中の少なくない人たちが、つまるところ「食べるものと寝る場所」のために「働かざるを得ない」ということを考えれば、半農半Xというライフスタイルには人間が幸せに生きていくための本質が凝集されているのではないか、とも思えてきます。
 
 

とは言っても、いろいろと問題がある

ここまで読んで、半農半Xというライフスタイルに興味を持ってくださった方、ありがとうございます。

 

ただ、現実に半農半Xを始めようとしたときに問題というか、不安のようなものはやはりあります。

 

単身者が田舎で半農半Xを実践しようとしたときに想定される問題を書き出してみました。

 

住居に関する問題

・古民家物件もあるが、だいたいの場合、部屋がいくつもあって単身者には広すぎる。
・取得(賃借)、改修にかかる負担は?
・広い家に一人で住むのって、なんか居心地が悪くないか?(←むしろ怖い)

 

農に関する問題

・自給用に農地を借りることができたとしても、広すぎて収穫物が余るのでは?
・農作業にかかる負担は?
・栽培に関する知識は?
・農機具の購入、管理にかかる負担は?

 

働くことに関する問題

・「自分の個性、長所、特技を活かした仕事」が見つかるのか?
・「社会への何らかの貢献を目指す」とは言っても、どのように社会との繋がりを確保するのか?
・会社勤めとは違う「社会との繋がり方」とは?

 

その他いろいろな問題

・田舎では車が必需品と言うけど、維持費が重くないか?
・場所によっては、買い物に行くだけでも大変…なんてことになるのでは?
・病気になった場合は?病院に行くだけでも大変そう。
・地域の行事に出るのも一人だと予定を合わせるのがしんどくないか?

 

 

そこで半農半Xシェアハウス

上記の問題を解決、軽減するために「シェア」という手段を用います。

 

特に田舎暮らしにおいてデメリットとなる部分は、「シェア」をすることによってかなり軽減することができるのではないかと思います。…というか、昔の村社会は「シェア」することにとって成り立っていたのではないかとすら思うのですが、その話はまた別の機会にでも書くことにします。

 

では、シェアすることのメリットを順番に見ていきます。

 

住居に関するメリット

・「古民家は部屋数が多すぎる」問題の解消
・安価な住環境(家賃という形で費用を分散して負担)
・孤独感の解消
 
農に関するメリット
・食費の低減
・農作業の負担を分散
・栽培に関する知識(筆者がある程度助言できます)
・農機具を共有(費用を分散して負担)
 
働くことに関するメリット
・シェアハウス外部との繋がりを持つための「場」を作る
・その「場」を通じての自己表現、社会貢献

この「場」を使って収益化をする(つまり、金銭を得る)必要があるのですが、具体的にどういう形態を採るかは決まっていません。私はインド料理を作れるので、週末インド料理店とかどうかとは思うのですが。シェアハウス住人たちの個性や長所によって、化学反応のようなものが起これば面白いかなと考えています。「狙いすぎない」ようにすることで多様性を高めていく方針です。何にせよ、外部に開かれた「場」が必ず必要になります。

 
その他いろいろなメリット
・車を共有することによる維持費の分散
・買い物の負担を分散(誰かが買い物に行くときに、まとめて買って来てもらうなど)
・病気になった場合のフォロー
・地域行事参加の負担を分散(交代で出席するなど)
 
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住人としての条件及びお互いの関係性

基本的には、お互いにあまり干渉しない関係を想定しています。「同居人」ときどき「共同作業者」という感じでしょうか。

 

ただし、現時点で必須と考えている要件が2つだけあります。

 

1.生活に「農」を取り入れること

自給的、スモールな「農」を生活に取り入れること。

半農半Xシェアハウスなので、当然ながら生活の半分は「農」です。

「農」を必須条件に挙げるのには理由がありますが、また別の場所で書くことにします。

 

2.利他精神を持っていること
シェアハウスや地域など、コミュニティに対して
自分の好きなこと、得意なことで
貢献する意思があること
が必要であると考えています。
 
3.家賃を支払えること
ミもフタもないですが、重要です。
 
 

どこにシェアハウスを作るのか

シェアハウスを作る場所についてですが、私が最も重視しているのは「周囲にどんな人がいるか」です。

 

現時点で最有力候補と考えているのが京都府綾部市です。

理由は以下のとおりです(私は綾部市には一度訪れただけであり、また移住セミナーも一度受けただけですので、個人的印象による部分も多々あります)。

・「半農半X」の提唱者、塩見直紀さんが活動を続けてこられた地であり、出身地でもある。
・市の最優先課題として移住政策に長らく取り組んでいる。
・移住者同士のネットワークが強い。
・自分自身で課題を発見して取り組んでいる移住者が多い。
・無茶苦茶おいしい平飼いの鶏肉屋さんがある。
 
最後の項目は、完全に個人的な実益です(笑)。
 
デメリットとしては、冬にそれなりの降雪があること、それと関連して冬の湿度が高いことが挙げられます。田舎暮らしならではの特性もいろいろあるようですが、それをメリットと考えるかデメリットと考えるかは人それぞれでしょう。
 
綾部以外では、市街地域からの適度な距離感という意味で、京都市の京北地区でしょうか。
 
これら以外の場所も含めて広く候補として考えていきますが、可能であれば関西圏が良いと思っています。
 
 

仕事はどうするのか

自分の好きなことや得意なことで人に貢献することが半農半Xシェアハウスの目的ではありますが、それをどれだけ金銭的な収入に繋げられるかは人によって違いがあります。

 

半農半Xシェアハウスの住人の働き方を分類すると、こんな感じになるのではないかと予想しています(「農」と「シェア」によって生活コストを減らし、月収10万円が必要であるという想定。その人の生活スタイルによって、必要な収入額は異なるでしょうが、仮に10万円とします)。

 

【パターン1】自分の好きなこと、得意なことで月10万円を稼ぐことができる。
理想的な状態です。
 
【パターン2】自分の好きなこと、得意なことで月5万円を稼ぐことができる。残りの5万円はアルバイト等で稼ぐ。
必要額の一部を稼ぐことができている状態です。この状態を維持するのか、得意なことで稼ぐ枠を増やすのかは、その人次第です。
 
【パターン3】自分の好きなこと、得意なことではまったくお金を稼ぐことができないため、アルバイト等で月10万円を稼ぐ。
ちょっと悲しい状態です(私自身も今はこの状態です笑)。原因はスキル不足なのか、単に実行に移す勇気がないことなのか、そもそも自分の得意なことがお金に換えにくい分野だからなのか?いずれにしても、「自分の得意なことで人に貢献したい」という思いがあることが最も重要です。「自分の得意なことで人に貢献したい」→「では、どうすれば自分の得意なことをお金に換えることができるのか?」という順番で考えましょう。半農半Xシェアハウスでは、「どうすればお金を稼ぐことができるか?」→「そのために、自分をどう変えるのか?」という思考法を採りません。
 
半農半Xシェアハウスでは、お金を稼ぐことを否定しません。自分が幸せであるためにどれだけお金が必要か、モノはどれだけ必要か、自由時間はどれだけ必要か、お金を得るために割くことができる時間は何時間までなのか、を自分自身で考えて行動していただければいいと考えています。重要なのは、自分にとっての幸せな人生がどんなものなのかを忘れないことです。「自分が幸せであるために、○○(お金、モノ、時間など)はどれだけ必要なのか」という視点で考えてください。
 

家賃はいくらか

場所との兼ね合いもあるため、金額は未定です。

 

 

入居方法は

シェアハウスそのものがまだ構想の段階です。その時が来れば、何らかの方法で入居者募集をかけることになります。

 

できれば、2年以内には実現したいと考えています。

 

また、長期的な居住者(つまり、通常の入居者)だけでなく、短期的な宿泊・生活体験用の部屋を準備するつもりです。いきなり「ここに住みます!」という決断を下せる人はなかなかいないでしょうから。

 

 

長くなりましたが、現時点で書けるのはこれくらいです。

 

ここまで読んでくれたあなたに、いつかお会いできる日を楽しみにしています。

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